
住宅の取得は一大イベントです。絶対に失敗したくないし、他のことよりナーバスになって当然。できれば、自分にとって一番良い時期に取得したいし、良くない時期は避けたいですよね。
さて、家を建ててはいけない年齢や家を買ってはいけない年齢ってあるんでしょうか?
じつは、住宅の取得を考えている方が、購入を避ける年齢や時期があります。それがいつなのか、本稿で具体的に解説していきます。
家を建ててはいけない年齢、家を買ってはいけない年齢
住宅の建築や購入を考えている方の中には、厄年を避けて取得される方が少なくありません。厄年とは、いつのことなのでしょうか?
厄年だけでなく天中殺や大殺界、暦もふくめて解説していきます。
厄年
厄年は、厄災が起こりやすく慎まねばならない年齢とされています。一般的に厄年を気にする方は多く、住宅購入に関しても厄年を避ける方が少なくありません。
厄年を表にしておきますね。
性別 | 前厄 | 本厄 | 後厄 |
---|---|---|---|
男性 | 24歳 | 25歳 | 26歳 |
41歳 | 42歳 | 43歳 | |
60歳 | 61歳 | 62歳 | |
女性 | 18歳 | 19歳 | 20歳 |
32歳 | 33歳 | 34歳 | |
36歳 | 37歳 | 38歳 |
厄年は男性と女性で異なり、それぞれ3回ずつあります。なかでも男性の42歳と女性の33歳は大厄と呼ばれ、とくに注意が必要と言われてます。
もしあなたが厄年を気にされるなら、大厄は外した方がよいでしょう。将来、問題が発生するたびに後悔することになりかねません。
逆に、あまり気にされないなら無視されたらいいと思います。統計的に見れば、その時期にたくさんの人が家を買っています。

天中殺(空亡)
厄年ほどではありませんが、算命学の天中殺(四柱推命の空亡)を気にされる方もいます。天中殺は以下の6種類あり、12年周期で1度回ってきます。
- 戌・亥天中殺
- 申・酉天中殺
- 午・未天中殺
- 辰・巳天中殺
- 寅・卯天中殺
- 子・丑天中殺
上述のとおり、各天中殺は並んだ2つの干支がセットになっています。たとえば「戌・亥天中殺」の方は、直近ですと2030年(戌)~2031年(亥)が天中殺になります。
自分が該当する天中殺は、生年月日から導き出します。自動計算してくれるWebサイトで、カンタンに調べることもできます。

天中殺の2年間は「冬」に例えられます。春を待つ「準備」の時期であり、学び修行する期間です。
私利私欲を満たす目的の行動は避けたほうがよいとされ、自分の意思で家を買うことは控えた方がよいと言われています。

大殺界
六星占術に、天中殺とよく似た「大殺界」と呼ばれる期間があります。こちらは、天中殺に1年追加して3年間続きます。
つまり、こんな感じですね。
- 戌・亥・子大殺界
- 申・酉・戌大殺界
- 午・未・申大殺界
- 辰・巳・午大殺界
- 寅・卯・辰大殺界
- 子・丑・寅大殺界
大殺界は、六星占術で「何をやっても良い結果が出ない」とされています。過去の蓄積を食いつぶす時期です。
「大殺界に入ったら、大きなことを始めないほうが良い」と言われます。詳しい方の間では「家を建てたり買ったりするのはよくない」という意見が多いようです。

六曜や十二直
家を買う時期に関しては「買ってはいけない日」を気にされるかたもいます。いわゆる、六曜や十二直などの暦を見ると吉日や凶日があるんですね。
暦に関しては、こちらで解説しています。もっと知りたい方は、参考にどうぞ。
-
-
家を買う絶好のタイミングまとめ(買い時・子供の成長・占いなど)
あなたは「家を買うならタイミングはいつがいいだろう?」と迷われてませんか?私の経験では、多くの人が「安く買えるとき、子供 ...
ところで、他の方々は何歳くらいで家を取得しているのか気になりませんか?つづいて、住宅取得時の平均年齢や平均年収についてみていきましょう。
家を購入する人の平均年齢と平均年収は?

家を取得する年齢は何歳ぐらいが適齢か、考えたことありますか?
家は、何歳までに建てないといけないのでしょうか?何歳から、買っても大丈夫なのでしょうか?家を取得する人の平均年齢や平均年収ってどれぐらいなのでしょうか?

まず、家を取得する人の平均年齢と平均年収から調べてみましょう。みんな、何歳ぐらいでマイホームを手に入れているのでしょうか?
ちなみに、初めて家を取得する人のことを一次取得者と言います。買い替えや建て替えの人は、二次取得者と言います。
じつは、国土交通省が一次取得や二次取得に関して統計調査データを公表しています。このデータを見てみましょう。
建売住宅を購入する人・注文住宅を建てる人の平均年齢
上の資料によると、注文住宅を建てた世帯主年齢は以下のような構成になっています。
30歳未満 | 10.7% |
---|---|
30歳代 | 40.3% |
40歳代 | 23.0% |
50歳代 | 9.1% |
60歳以上 | 16.6% |
いっぽう、建売住宅(分譲住宅)を購入した世帯主年齢は以下のような構成になっています。
30歳未満 | 15.2% |
---|---|
30歳代 | 45.9% |
40歳代 | 24.0% |
50歳代 | 9.7% |
60歳以上 | 4.3% |
圧倒的に30歳代が多く、次いで40歳代が多いですね。この世代で、全体の7~8割を占めます。
ちなみに、平均年齢は以下のようになっています。
住宅取得世帯主の平均年齢
- 注文住宅 ⇒ 43.2歳
- 分譲戸建住宅 ⇒ 38.6歳
- 分譲マンション ⇒ 43.3歳
いずれも、アラフォー。少しだけ、注文住宅の施主やマンション購入者の平均年齢が高いという結果です。
建売住宅を購入する人・注文住宅を建てる人の平均年収
さて、家を買う人は30代から40代が多いとわかりました。では、年収はどうでしょうか?
先ほどの住宅市場動向調査によると、注文住宅を建てた人の世帯年収(税込)は以下のようになっています。
400万円未満 | 11.8% |
---|---|
400万円~600万円未満 | 25.9% |
600万円~800万円未満 | 26.0% |
800万円~1,000万円未満 | 14.6% |
1,000万円~1,200万円未満 | 7.8% |
1,200万円以上 | 9.3% |
無回答 | 4.5% |
いっぽう、分譲住宅を購入した人の世帯年収(税込)は以下のようになっています。
400万円未満 | 5.2% |
---|---|
400万円~600万円未満 | 30.7% |
600万円~800万円未満 | 21.3% |
800万円~1,000万円未満 | 15.2% |
1,000万円~1,200万円未満 | 7.3% |
1,200万円以上 | 3.9% |
無回答 | 16.4% |
世帯年収400万円~800万円のご家庭が、住宅取得者のボリュームゾーンになっています。世帯主が30代~40代のご家庭と、マッチする結果ではないでしょうか。
30代~40代という年齢は家の買い時なのか?
さて、国交省の統計情報を見ると、以下の3つがわかりました。
- 家を買った世帯主は30~40代が圧倒的に多い
- 建売住宅を買った人の世帯年収は400~600万円が多い
- 注文住宅を建てた人の世帯年収は600~800万円が多い
世間的には、30~40代、世帯年収400~800万円で家を買った人がたくさんいるという結果ですね。
統計情報によると、このような世帯が住宅購入の適齢と言えそうです。

30~40代と住宅ローンの関係
基本的に、住宅ローンは借りられる年齢制限と最大融資年数があります。これは金融機関によって違いますが、たとえば以下のような感じです。
融資可能年齢 | 20歳以上~66歳未満 |
---|---|
最大融資年数 | 最長35年(完済時年齢76歳未満) |
住宅ローンには「完済時年齢」の制限があります。
つまり、40歳までに住宅ローンを借りれば35年返済にできるが、41歳以上はだんだん最長融資期間が短くなるということです。
住宅ローンは、返済期間を長めにとる方が月々の返済額を下げられます。試しに、計算してみましょう。
- 3,000万円、金利1%、35年返済の場合
- ・月々の返済額 ⇒ 84,685円
- ・総返済額 ⇒ 35,567,804円
- 3,000万円、金利1%、30年返済の場合
- ・月々の返済額 ⇒ 96,491円
- ・総返済額 ⇒ 34,736,908円
上の例では、35年ローンの方の返済額が月々11,806円も安くなります。それだけ、生活にゆとりができるということです。
それに、40歳を過ぎれば過ぎるほど、住宅ローンは借りにくくなります。最長融資期間が短くなるので借入可能額が減り、自己資金もたくさん必要になります。
実際、40歳を過ぎるとみなさん焦り始めます。「定年退職までに返したい!」となると、なおさらですね。

賃貸暮らしの人は早めに家を買う方がお得かも?
さて、もう一度先述の試算を見ていただけますか?
- 3,000万円、金利1%、35年返済の場合
- ・月々の返済額 → 84,685円
- ・総返済額 → 35,567,804円
- 3,000万円、金利1%、30年返済の場合
- ・月々の返済額 → 96,491円
- ・総返済額 → 34,736,908円
よく見ると、返済期間が短い方が総返済額は少なくなります。この例では、30年ローンの方が約83万円も総返済額が減ります。
ということは、数年間頭金を貯めてから住宅ローンを借りた方がいいのでは?借入額も、返済年数も減らせるのでは?……と思いますよね。

たしかに、頭金を貯めてから買えば月々の返済額も総返済額も下げられるでしょう。でも、頭金を貯めてから買おうと考えている人は一度試算してみてください。
じつは、数年間頭金を貯めてから買うよりは、今すぐ頭金なしで買う方がいいケースがあります。

くわしくは、こちらで解説しています。気になる方は、あわせてご覧ください。
-
-
フル住宅ローン頭金なしでもOK!家を早く買う方が有利なパターン
あなたは、家を買うときには絶対頭金が要ると思ってませんか?もしくは、頭金貯めてから家を買う方が総支払額が安く済むと考えて ...
とくに、賃貸ぐらしの方は要注意です。
住宅購入が遅れると、その期間分の住居費が要ることを忘れてはいけません。たとえば、家賃5万円のマンションであっても5年暮らせば300万円かかるのです。
たしかに、頭金を増やせば住宅ローンの返済額や利息を減らせます。でも、それ以上に住居費がかかると水のアワになりますよ。

新居で子供と過ごす時間は、あと何年?
30~40代で家を買うとき、少なからず子供のことを考えますよね。
たとえば、こんなこと考えたことないですか?
- 新しい新居で、のびのび子育てがしたい!
- 子供が暴れても、怒って注意しなくていい暮らしがしたい!
- 子供たちに、自分の部屋を与えてやりたい!
きっと、いろんな思いがあるでしょう。

そんなふうに子供のことを考えて買った家ですが……。あと何年、一緒に過ごせるでしょう?
もし、遠くの大学に入学が決まり下宿することになったら?お子様が社会人になって、一人暮らしがしたいと言い出したら?
もしかして、中高生になったらご飯のときと寝るときぐらいしか帰らないかも?

家を買うとき頭金はいくら必要か?
さて、住宅ローンのことを考えると「30代~40代は家の買い時」と書きました。
しかし、若い人はまだまだ貯金が少なく住宅ローンが高額になり過ぎて家計を圧迫しないか心配ですよね。
では、どれぐらい自己資金を準備してから家を買えばいいのでしょうか?

家を買うときは、いろいろな諸費用が発生します。参考まで、建売住宅を買うときの諸費用はこんな感じです。
建売購入にかかる諸費用の例
- 仲介手数料
- 契約書に貼る印紙代
- 固定資産税等の清算金
- 登記費用
- 住宅ローン保証料
- 引っ越し代
- 家財(家具や家電など)
- 火災保険
諸費用の中には、住宅ローンに組み込めないものがあります。
組み込めるものでも、自己資金から払うことで住宅ローンの総返済額を大幅に減らすことができます。ですから、家を買うときはこの諸費用分ぐらいは自己資金を貯めましょう。
建売購入にかかる諸費用については、こちらで詳しく解説しています。参考にどうぞ。
-
-
新築の建売住宅を買うときに必要な諸費用のリストと、8つの節約方法
家を買うとき必要な費用は「物件代金」だけではありません。では、物件代金以外に何の費用がかかるかご存知ですか? 今回は、新 ...
一方、頭金に関しては必ずしも必要ではありません。
- 建売購入の頭金とは?
- 建売を買う場合の頭金とは、家の代金のうち住宅ローンを使わずに自分で用意するお金のことです。私の経験では、親の援助で支払う方が多いように思います。
昔の銀行は、頭金が物件価格の2割ないとお金を貸してくれませんでした。今は、2割なくても貸してくれる銀行があります。
ちなみに、頭金と自己資金の違いがわかりますか?頭金と自己資金の関係を図にすると、こんな感じです。

今は、史上最低金利を更新中です。こういうご時勢では、頭金による返済額圧縮効果より住居費の方が高くつくことも。
「5年間ぐらい頭金を貯めてから……」と考えるより、頭金なしのフルローンで今すぐ買った方が有利になることもあります。
簡単に住宅ローンの計算ができる、スマホの無料アプリもあります。ぜひ一度試算してみてください。
【まとめ】家を建ててはいけない年齢・家を買ってはいけない年齢
住宅の取得年齢については、厄年を気にされる方が少なくありません。中には、天中殺や大殺界を気にする方もおられます。逆に、まったく気にしない方もおられ、幸せに過ごしておられます。
分譲住宅購入者の年齢は、30歳代が圧倒的に多く全体の半数を占めます。子供の成長にともない、それぐらいの年齢で購入時期がやってくるのでしょう。
若いうちに家を買うと、いろいろなメリットがあります。とはいえ、若い世代は貯蓄額が少ないので、無理な住宅ローン返済計画にならないように注意も必要です。
「頭金を貯めてからでないと家を買ってはいけない」ということは、ありません。しっかり、資金計画を立ててみましょう。
資金計画のことを深く知りたい方は、こちらをどうぞ。
おすすめの関連記事