
あなたは、家を買うときには絶対頭金が要ると思ってませんか?もしくは、頭金貯めてから家を買う方が総支払額が安く済むと考えてませんか?
じつは、必ずしもそうではありません。それどころか、頭金を貯めるより今すぐ買う方がお得になることもあるのです。
ということで、今回は「フル住宅ローン、頭金なし」で家を買うとどうなるか考えてみたいと思います。
「家は頭金なしフル住宅ローンでも買える」は本当か?
よく「家を買うなら、頭金は2割り必要」と言われます。一方で住宅営業は「頭金ゼロでも家を買えますよ」と言います。
あなたなら、どちらを信用しますか?
たぶん「頭金2割り必要」説ですよね。だって住宅営業はすぐに家を売りたいから、適当なこと言ってあなたに家を買わせようとしてるんですよ。

じつは、頭金をこれから貯めて購入するぐらいなら、今すぐ頭金なしで買った方がいい場合もあります。
実例をあげながら解説しますね。その前に、そもそも「頭金」って何なのか復習しておきましょう。
頭金とは?
家を買うときは、次の2つの費用がかかります。
- 住宅代金(家+土地)
- 諸費用
諸費用項目については、こちらで詳しく解説しています。興味がある方は、ご参考にどうぞ。
-
-
新築の建売住宅を買うときに必要な諸費用のリストと、8つの節約方法
家を買うとき必要な費用は「物件代金」だけではありません。では、物件代金以外に何の費用がかかるかご存知ですか? 今回は、新 ...
家を買うときは「住宅代金と諸費用」を「自己資金と住宅ローン」を使って支払います。
そして、住宅代金を支払うのに使う自己資金のことを「頭金」と言います。
図にすると、こんな感じです。
この関係を頭に入れておいてください。
で、結論だけ先に行っておくと「頭金なし」でも家は買えます。
家の購入タイミングと頭金の額で違いをチェックしてみる
家を購入したい人のよくある悩みに「頭金を貯めてから買った方がいいのか?頭金なしで今すぐ買った方がいいのか?」というのがあります。
これは試算してみたらすぐに分かります。今はローン計算用のスマホアプリがありますので、簡単に計算できますよ。
たとえば、若い人が頭金なしで今すぐ買う場合と、頭金を600万円(3,000万円の2割り)貯めて5年後に買う場合はどうでしょうか?
項目 | 今すぐ購入 | 5年後に購入 |
---|---|---|
家の購入価格 | 3,000万円 | |
頭金 | 0円 | 600万円 |
借入額 | 3,000万円 | 2,400万円 |
金利 | 2.0% | |
返済年数 | 35年 | 30年 |
月々返済額 | 99,378円 | 88,708円 |
総返済額 | 41,738,969円 | 31,934,970円 |
住宅ローン+頭金 | 41,738,969円 | 37,934,970円 |
差額 | 3,803,999円 |
結果は「頭金を貯めてから5年後に買う方が約380万円お得(利息支払いが少なくて済む)」という結果になりました。

実は、上の試算では「住居費」が抜け落ちています。つまり「5年間かけて頭金を貯める人は、その間の家賃を支払わないといけない」ということです。
では、お得になるはずの「380万円」を60ヶ月(5年)で割ったらいくらでしょうか?約63,333円ですね。
もし、あなたの支払っている家賃が6万4千円以上なら、お得になるはずだった380万円が吹き飛ぶということです。

他にも、以下のような懸念材料があります。
- もし、頭金を貯めている間に消費税が上がったら?
- 5年の間に金利が上がったら?
- そもそも5年間で600万円も貯められるの?
頭金を貯めてから家を買おうと考えている人は、そういうことも考慮しておくべきですね。
住宅ローンが低金利でも家の購入に頭金が2割り必要?
現在のような住宅ローン低金利時代では、昔のように「頭金2割りないと貸してくれない」ということはありません。
なので、何の根拠もなく「とにかく頭金は2割り要る!」と考える必要はないです。
でも「頭金が必要なケース」というのはあります。たとえば、下のような場合ですね。
- 頭金が必要なケース
- 銀行が貸してくれる融資限度額が住宅購入価格より低かった場合。足りない分は自己資金で補う必要があるので、その分は頭金が必要。
そもそも、銀行が住宅購入資金全額を融資してくれなかったら、あとは頭金を積むしかないですよね。
ポイント
とくに金利は0.1%違うだけで総返済額が数十万円変わってきます。2~3の銀行で審査申し込みをして、比較してから選びましょう。
複数の銀行に一括審査申し込みできるサービスもあります。申し込み用紙記入の手間が省けるのでオススメです。
参考 住宅本舗「住宅ローン一括審査」
ちなみに、諸費用は自己資金で払う方がいいです。銀行によっては、諸費用分も住宅ローンに入れると金利が上がる場合があります。
家を買うとき頭金はどれぐらいあるといいのか?

頭金の必要額は、完全にケースバイケースです。
年収が800万円あっても、頭金なしでは家を買えない場合もあります。逆に年収500万円でも、頭金なしで家が買える場合もあります。
頭金の要・不要の例
- 年収が800万円あっても、50歳なら頭金が必要
- 年収が800万円あっても、6,000万円の物件を買うなら頭金が必要
- 年収が500万円でも、3,000万円の物件を35年返済するなら頭金なしで買える
つまり、いくらの物件を買うのか?住宅ローン開始年齢は何歳か?によっても必要な頭金が変わってくるということです。
銀行に行けば、およその概算で貸付可能額を計算してくれます。ぜひ「いくらまでなら頭金なしでも家が買えるのか」試算したうえで住宅購入を進めてください。
【まとめ】フル住宅ローン、頭金なしで早く家を買うほうがいい人もいる
家を買うとき、必ずしも頭金は要りません。今は超低金利なので、賃貸ぐらしを続けるぐらいなら住宅ローンを借りてすぐに家を買った方がいいケースもあります。
最近は高性能の住宅ローン計算アプリもあります。今すぐ買う場合と貯金してから買う場合、それぞれ一度試算してみてはいかがでしょうか。
エクセルで試算することもできます。チャレンジしたい方は、こちらを参考にご覧ください。
-
-
住宅ローン計算をエクセルでやる!シミュレーションを自作する方法
これから住宅ローンを借りようとお考えの方。ちゃんと毎月やりくりできるか、心配ですよね。 「月々、いくらずつ返せばいいの? ...