今回は、住宅ローンの仮審査について解説したいと思います。
家を買おうと思いモデルハウスへ行ったら、営業マンに「とりあえず、住宅ローンの仮審査をしましょう」と言われてドキッとする・・・よくある話です。
心の準備をするためにも、仮審査のことについて知っておきましょう。
では、さっそく説明していきますね。
住宅ローンの仮審査とは?
住宅ローンの審査には、仮審査と本審査の2つがあります。
まず、それぞれのタイミングを確認しておきましょう。
まず、建売住宅の場合から。
- 気に入った家がみつかったら購入申込書を出す
- 住宅ローンの仮審査を受ける
- 家の売買契約を締結する(手付金を支払う)
- 住宅ローンの本申し込み(本審査)をする
- 本申し込みで承認を得る
- 物件代金を清算して引き渡しを受ける
この流れの1と2が逆になることもあります。
そうなると、家を買う人にしたら「ドキッ!え!?いきなり仮審査?」ってなるわけです。
つづいて、注文住宅の順序です。
- 住宅会社にプランと見積もりを作ってもらう
- 住宅ローンの仮審査を受ける
- 住宅会社と契約
- 住宅ローンの本申し込み(本審査)をする
- 本申し込みで承認を得る
- 建築工事着工
- 建築工事完了
- 物件代金を清算して引き渡しを受ける
上述の注文住宅の順序は、かなりザックリです。
実際の手順はもっと複雑で、住宅会社によって変わってきます。
不安やミスが発生しないように、住宅会社と随時スケジュールの打ち合わせが必要です。
住宅ローンの仮審査と本審査との違い
住宅ローンの本審査は、家の売買契約書または建築の工事請負契約書が要ります。
ですから、本審査前に不動産屋または建築会社と契約を済ませておく必要があります。
- 建売住宅の場合 → 不動産売買契約書が必要
- 注文住宅の場合 → 建築工事請負契約書が必要
しかし、契約までの道のりはとても手間と労力がかかります。
この道のりは、買主にとっても売主にとっても相当な負担です。
ですから、本審査で「ダメでした~!」では困るわけです。
今までの苦労が、すべて徒労になりますからね・・・。
そこで、仮審査の登場です。
- 仮審査の目的とは?
- 家を買う流れのできるだけ早い段階で、どれぐらいの住宅ローンなら通りそうかザックリとつかんでおくことが目的です。
- 採用面接で例えるなら、企業が面接の前に書類選考するようなものです。
一般的には、仮審査より本審査の方が厳しくなります。
審査内容は、金融機関によって変わってきます。
例を挙げてみましょう。
まずは、仮審査から。
- 本人確認
- 今の年齢と完済年齢(返済期間)
- お勤め先、勤続年数、所得額
- 返済負担率
- 住宅ローン以外の借入状況
- 与信(個人の信用度)
返済負担率とは、ローンの返済額が年収に占める割合のことです。
例えば、年収400万円の人が毎年120万円ローン返済する場合の返済負担率は30%です。
毎年120万円返済 ÷ 年収400万円 = 返済負担率30%
返済負担率は、おおむね、年収400万円以下だと30%以下。
年収400万円以上だと35%以下が妥当です。

与信では、今まで金融事故が無かったか見られます。
たとえば、自己破産や民事再生、ローン破たんや滞納などですね。
続いて、本審査。
- 物件の担保価値
- お勤め先の情報(規模や経営状態)
- 健康状態(団体信用生命保険に加入できるか)
- 借入する人の人となり
- 仮審査の内容をもっと詳しくチェック
住宅ローンでは、たいてい団体信用生命保険の加入が要件になっています。
よって、団信に加入できない健康状態では審査が通りません。
これも「住宅ローンを借りるなら、若い方が有利」と言われる一因です。
ちなみに、団信より審査がゆるいワイド団信を用意している金融機関もあります。
参考 みずほ銀行「ワイド団信」
- 団体信用生命保険(略して団信)とは?
- まんがいち住宅ローンを借りた人が亡くなった場合、保険会社が住宅ローンを完済してくれる保険。
- 残された家族は、以後の住宅ローン返済をしなくてよくなる。
物件の担保価値もシッカリみられます。
そのため、土地の情報や建物の仕様がわかる書類が必要になります。
一般的には、売買契約書ですね。
住宅ローン仮審査と本審査の必要書類
審査の必要書類は金融機関によって少し違います。
ここでは、一般的なものを挙げておきます。
仮審査の必要書類
書類 | 備考 |
---|---|
ローン事前審査申込書 | 金融機関でもらう |
本人を確認できる書類 | 運転免許証など |
収入を確認できる書類 |
|
勤続年数を確認できる書類 | 健康保険証など |
物件概要がわかる書類 |
|
本審査の必要書類
書類 | 備考 |
---|---|
保証委託申込書兼契約書 | 金融機関でもらう |
個人情報に関する同意書 | 金融機関でもらう |
団体信用生命保険申込書兼告知書 | 金融機関でもらう |
本人を確認できる書類 | 運転免許証など |
住民票 | 市区町村役場で入手 |
印鑑証明書 | 市区町村役場で入手 |
収入を確認できる書類 |
|
勤続年数を確認できる書類 | 健康保険証など |
物件の契約書 |
|
物件に関する書類 |
|
公図・登記事項証明書 | 法務局で入手 |
とにかく、申し込み用紙の記入が大変です。
住所が長い人は、腱鞘炎になるレベルです・・・。
一度の記入で複数の銀行に審査申し込みできるサービスもあるので、活用しましょう。
参考 住宅本舗「住宅ローン一括審査」
なぜ、不動産屋は仮審査を急ぐのか?
家を探し始めたら、いきなり住宅ローンの仮審査を提案され焦った人もいるでしょう。
なぜ、不動産屋は仮審査を急ぐのでしょうか?
建売住宅の「購入申し込み」から「売買契約」を経て「住宅ローン本審査」の結果が出るまで、どんなにスムーズにいっても3~4週間かかります。
ポイント
物件も「商談中」や「売約済」にして販売ストップの状態になります。
もし、仮審査なしで本審査だけして落ちたらどうなるでしょうか?
たくさんの人の労力は無駄になり、物件は販売ストップしていた間に何人もお客様を逃していたかもしれません。

売主によっては「仮審査OK」が出ないと購入申し込みを受け付けないところもあります。
注文住宅でも、同じような理由で仮審査を急ぎます。
設計や見積もり、確認申請の準備、職人の手配など、けっこうな労力が要りますから。
それから「仮審査で融資額が決まる=予算が決まる」という意味もあります。
予算が決まれば、お家の仕様がより明確に決められます。
また、銀行でも仮審査を経ることで本審査がスムーズに進みます。
建売住宅では、売買を円滑に進めるために住宅ローンの仮審査が重要な役割をはたしています。
まとめ
住宅ローンの仮審査は、家の購入で大事な作業です。
売主にも買主にも、仲介業者にも銀行にもメリットがあります。
私も、できるだけ早い時期に済ませておくことをオススメします。
しかし、まだ信頼できてない不動産屋に「仮審査しましょう」と言われても「え!?」ってなりますよね。
無理して仮審査を急ぐ必要もありません。
すべてに納得できたら、そのときは早めに実施すればいいと思います。
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