住宅ローンを組んでまで、家を買うメリットってあるんでしょうか?
昔から「持ち家派 VS 賃貸派」が論争を繰り広げてます。いったい、どっちが正解なんでしょう?
結論から言うと、その答えは人によって違うということになります。今回は、その理由を説明したいと思います。
では、解説していきますね。あなたには、どっちが合ってるでしょうか?考えるヒントになれば幸いです。
住宅ローンを組んでまで住まいを買うメリット
まず「住宅ローンを組んでまで住まいを買うメリット」を挙げてみましょう。よく言われるのは、こんなことです。
- 自分が気に入ったインテリアで過ごせる
- 負い目を感じずに過ごせる
- 低金利で借りると住宅ローン控除でお得
- 資産として残るので家賃を払うよりいい
- 老後住む家の心配をしなくてよくなる
順番に、もう少し詳しく解説しますね。
自分が気に入ったインテリアで過ごせる
私は、実はこれが一番大きいのではないかと思っています。自分自身のことを考えても、とても幸せな気分になれる要因になっています。
自分は気に入った構造、気に入った外観、気に入った内装、気に入った空間。そういうものに囲まれて暮らすというのは、とても気分がいいものです。

違う見方をすれば、ストレスが少ないとも言えます。ストレスが少ないと健康に良いし、イライラすることも少なくなります。
負い目を感じずに過ごせる
これは、感じる人と感じない人がいます。賃貸に住んでいると、なんだか周りの「持ち家組」の目が気になるんですね。
たしかに、持ち家派の中には賃貸派を否定する人もいると思いますが・・・・。大半の持ち家派は、他人のことなんて気にもしてないでしょう。
なんにせよ「家を買うことで負い目を感じずに過ごせる」と思うなら、それは家を購入する理由になります。
低金利で借りると住宅ローン控除でお得
ご存知とおり、所得税は住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)が受けられます。控除の要件を満たせば、10年間ローン残高に応じて所得税から還付してもらえる制度です。
住宅ローン控除額は、年末の住宅ローン残高の1%。いっぽう、住宅ローン金利(変動金利)は1%を切っている状況です。
つまり、銀行に支払う利息より、所得税の還付率の方がいいわけです。国があなたの利息を支払い、家の購入代金までフォローしてくれている状態ですね。
資産として残るので家賃を払うよりいい
家やマンションは、買い手がつかない物件を買わない限り現金化できます。たとえ建物に価値がなくなったとしても、土地が無価値になることはありません。
一方、賃貸マンションの家賃は「住居費」であり資産になりません。いくら支払ったところで、いっさい現金化できません。
計画的な金額で家を買えば、持ち家は賃貸住宅よりローコストで暮らすこともできます。
老後住む家の心配をしなくてよくなる
よく心配されるのが「高齢者は賃貸住宅を借りにくい」ということ。ですので「持ち家を持っておく方が安心」をという話になります。
今後ますます高齢化が進み、同時に単身高齢者が増えるでしょう。そうすると、今より「高齢者が賃貸を借りる」のは簡単になるかもしれません。
しかし、改善するかわからないことにかけるより、家を持つ方が安心ということですね。
住宅ローンを組んでまで家を買うデメリット
こんどは、住宅ローンを組んでまで家を買うデメリットです。私が考えるデメリットは、たったひとつ。
資産として、流動性が低い。これに尽きると思います。

たとえば、急に引っ越しせざるを得なくなったとき。圧倒的に、賃貸マンションの方が身軽に対応できます。
生活が苦しくなったとき、賃貸なら低家賃の物件に引っ越せばOKです。しかし、住宅ローンを抱えている人は、簡単に返済額を下げられませんよね。
物件を売却して、ローンを完済して、低家賃の賃貸を探すという流れになります。これは、時間がかかるうえ売却できない事態も起こり得ます。
マイホームを買うことは「負債」なのか?
ときどき「家を買うのは、負債を抱える行為」というのを耳にします。これは、本当でしょうか?
マイホームを「資産」と考えれば、間違いなくそうですね。しかし「だから、賃貸マンションの方がいい」とはなりません。

この問題を考えるときは、マイホームも賃貸住宅も同じ土俵で考える方がいいでしょう。つまり「資産」で考えるか「住居費」で考えるか、両方とも合わせるのです。
先述のとおり、マイホームも賃貸住宅も「資産」で考えるならどちらもマイナスです。どちらもかけたコスト以上の所得が得られることは、ほぼありえません。

住居費で考える場合は、比較が難しいです。どんな賃貸住宅に住むのか、どんなマイホームを買うのか、条件次第で変わります。
例として、賃貸住宅はこんな費用がかかります。
- 敷金
- 礼金
- 仲介手数料
- 家賃
- 共益費
- 原状回復日
- 引っ越し代
マイホームは、こんな費用がかかります。
- 住居や土地の購入代金
- 住居や土地の取得費(登記など)
- 維持管理費(メンテナンス費)
- 固定資産税や都市計画税
- 住宅ローンの利息や諸費用(保証料など)
- 売却時の建物解体費(必要であれば)
- 不動産の売却諸費用
マイホームの場合は、この費用から売却代金を引きます。そのうえで、お互い居住期間にかかった総費用を比較するのです。
状況によって金額が変わるのは想像に難くないですが、人によっては「マイホームの方が安くなる」こともあるのです。
ですから、住居費で考えるのか資産で考えるのか、条件を合わせて比べることが大切です。